◆ライブ感人気
米国発金融危機とそれに端を発する世界的な連鎖株安で、国内消費が急速に冷え込むなか、テレビ通販は成長が見込めるだけに各社とも一歩も譲るつもりはない。
「このデジタルカメラには、こんな機能もあるんですよ」
「お客さま、在庫が少なくなってきました。お買い逃しなく…」
「ショップチャンネル」の愛称で知られる通販番組を制作するジュピターショップチャンネル。東京都中央区にある本社スタジオで生放送に携わるスタッフはわずか数人という“少数精鋭”だ。
無人のカメラの前で、片耳にイヤホンを付けた司会進行役が、別室でリアルタイムで商品の売れ行きをチェックしているセールスプロデューサーから指示を受けながら、隣のゲストとテンポの良い会話で番組を進行する。コールセンターで注文した視聴者も、電話で飛び入り出演する。
「生放送のライブ感に加え、主演者2人の商品へのこだわりをどれだけ伝えられるかが重要なポイント」。同社の篠原淳史社長は人気の秘密をこう解説する。
1つの商品をじっくりと紹介する1時間番組を24時間、生で放送するという米国スタイルが基本。1週間で衣料品から化粧品、食品、家庭雑貨まで500〜700商品を紹介する。しかも、その半分が新商品だ。
2004年に番組の24時間化を実現し、年間売上高はそれまでの500億円程度から07年度には倍増となる念願の1000億円超えを達成した。
実際、その販売力はすさまじい。英ダイソンの掃除機は、わずか3時間の放送で約6億5000万円を売り上げた。商品を買い付けるバイヤーはわずか40人しかいないが、「『番組で取り扱ってくれ』と売り込みに来る企業の営業関係者は後を絶たない」という。業界では、ショップチャンネルで紹介されれば売れるという“神話”が浸透している。
最も売り上げが伸びる時間帯は意外にも午前0時から1時。視聴者の就寝前という時間帯だが、篠原社長は「お買い得感がある目玉商品を用意することで、当社がゴールデンタイムに育てた」と自負する。
舞台裏の戦略も緻密(ちみつ)だ。東京、大阪にあるコールセンターでは注文客からの苦情などのマイナス情報を社長以下が共有できる態勢をとり、番組制作に生かしている。千葉県習志野市にある物流センターでは、アルバイトの従業員でもすぐに倉庫から商品を見つけ出し、注文から2日程度で全国に配送する。
「ケーブルテレビ放送からネットを含めた小売り、物流業務を一貫して手掛ける住商グループの機能を生かせる」。住友商事の治良(はるなが)博史ダイレクトマーケティング事業部長は、ショップチャンネルの成功に胸を張る。
対するQVCジャパンは、テレビ通販の本場、米国が発祥。01年4月に日本に進出し、米QVCが60%、三井物産が40%を出資している。
売上高などのデータは非公表を貫いているが、業界推計では、直近の売上高は700億円台とみられている。
「商品の機能や使いやすさを的確かつ性格にわかりやすく伝える」がモットーだ。1日に紹介される商品は150種類以上に上る。既存の流通には乗らない少量生産品や地方の隠れた名品のほか、米国本社などQVCの海外ネットワークを生かした世界の逸品やベストセラー商品が売り物だ。
例えば、韓国芸能人に人気のコスメ商品「HANSKIN BB TOTAL CREAM」(ハンスキン ビービートータルクリーム)を紹介し、日本でもヒットさせた。
三井物産はQVC以外にも、TBSと共同出資するテレビ通販会社「グランマルシェ」を展開している。ケーブルテレビ中心のショップチャンネルに対し、地上波放送網もカバーしていることも強みだ。
◆期待の成長市場
2強から出遅れた伊藤忠商事は、業界中堅の「プライム
プライムは売上高を3年後に現在の約4倍の300億円に急拡大させる計画だ。
民間シンクタンクの富士経済によると、テレビ通販の市場規模は07年が前年比11.4%増の3962億円。08年は6.7%増の4229億円の見通し。
消費の冷え込みで百貨店やスーパーなど店舗を介した旧来型の業態が前年割れの縮小を続けるなか、テレビショッピングを含む通販は、「成長が続く」(篠原社長)との期待は大きい。
テレビ通販では、大資本をバックにした商社系に加え、名物社長の独特の語り口が人気の「ジャパネットたかた

